はじめに

MIDIの編集は、各種のMIDIエディターを使用して、グラフィカルに編集するのが一般的です。しかし、「ある条件のMIDIイベントを検索して、それを新しい値や特性に置換する」ような機能によって編集するのが、規則性を持つために望ましい場合もあります。ロジカルエディター (Logical Editor) は、このような編集が行なえます。

重要

ロジカルエディターは Cubase Pro でのみ使用できます。ただし、ロジカルエディターと多くの機能が共通している「Transformer」(トランスフォーマ-) MIDI エフェクトと「インプットトランスフォーマ- (Input Transformer)」機能は Cubase Artist でも使用できます。

ロジカルエディターの大まかな仕組みは、以下のとおりです。

  • 「フィルター条件」を設定します。ロジカルエディターは、まず、指定された条件を満たす要素を探して操作の対象を制限します。

    タイプ、属性、値、位置、またはそれらの要素を自由に組み合わせてフィルター条件にできます。要素はいくつ組み合わせても構いません。演算子「And」や「Or」を使用することにより、複雑な条件を設定することもできます。

  • 基本的な「機能」を選択します。

    選択肢は、「変換 (Transform)」 (検索した要素の属性を変更)、「削除 (Delete)」 (要素を削除)、「挿入 (Insert)」 (検索した要素の位置を基準に、新規要素を追加) などがあります。

  • 具体的な「アクション」 (操作内容) を細かく設定します。

    この手順は省ける場合もあります。たとえば削除機能の場合、機能 (削除) 以外に指定すべきものはありません。検索されたものが単に削除されるだけです。それに対して、変換機能では、検索した要素の特性のうち、どの部分を変更して、また、どのように変化させるか (たとえば、ノートの移調量、ベロシティー値の調整など) を設定する必要があります。

フィルター条件、機能、操作内容を組み合わせて設定することにより、非常にパワフルな処理を行なえます。

ロジカルエディターの使用方法を確実に習得するためには、本来は各種の MIDI メッセージが、どのように構成されるのか、ある程度の知識が必要となるでしょう。しかし、ロジカルエディターに豊富なプリセットを用意していますので、この込み入った複雑な機能に溺れてしまうことなく、使用できるでしょう。

重要

ロジカルエディターの仕組みを学ぶためには、付属のプリセットを読み込んで試してみるのが非常に良い方法です。また、多くのプリセットは、新しくロジカルエディターの処理を作成する際の出発点として活用できます。