「入力ノート (I-Note)」、「出力ノート (O-Note)」、「ピッチ (Pitch)」

以下の「セオリー」を理解することによって、ドラムマップのコンセプトを最大限に活用できるでしょう。これは特に、オリジナルのドラムマップを作成する場合に非常に役立ちます。

ドラムマップは「フィルター」のようなもので、ノート情報をマップの設定に従って変更します。ノートの変更は、ノートを入力した場合 (MIDI キーボードなどでノートを演奏した場合) と、ノートを MIDI 音源に出力した場合 - つまり、2 度行なわれます。

以下の例では、バスドラムのサウンドが異なる数値の「ピッチ (Pitch)」、「入力ノート (I-Note)」、「出力ノート (O-Note)」を持つように修正したドラムマップを示しています。

入力ノート (I-Note)

MIDI キーボードなどでノートを演奏すると、ドラムマップの「入力ノート (I-Note)」から、演奏したノートが検索されます。上の例の場合、「A1」を演奏すると、この演奏ノートは、バスドラムサウンドの「入力ノート (I-Note)」 (=「A1」) として認識されます。

ここで 1 度めの変換が行なわれます。演奏されたノートは、そのドラムサウンドの「ピッチ (Pitch)」設定に従って、新しいノートナンバーとなります。上の例の場合、演奏ノート「A1」は、バスドラムのサウンドのピッチである「C1」に変換されます。演奏ノート「A1」を使って録音すると、実際は「C1」のノートとして録音されます。

たとえば、簡単に MIDI キーボードで演奏できるように、主要なドラムサウンドを隣り合わせに配置したり、鍵盤数の少ない MIDI キーボードでも演奏できるように、ドラムサウンドの配置を変更したり、サウンドの割り当てを白鍵から黒鍵に移動したりできます。MIDI キーボードなどを使ってドラムパートを演奏しない場合 (つまり、エディターで直接作成する場合) は、「入力ノート (I-Note)」を設定する必要はありません。

出力ノート (O-Note)

次の手順は出力です。この項目の設定内容は、録音したノートを再生した場合、または演奏したノートを MIDI 音源にリアルタイムでスループット (MIDI Thru) する場合に機能します。

ドラムマップでそのノートのピッチを持つドラムサウンドが検出されます。上の例では、「C1」のノートが再生されており、そのサウンドはバスドラムです。ノートが MIDI 出力ポートに送られる前に、2 度めの変換が行なわれます。つまり、ノートナンバーが、そのサウンドの「出力ノート (O-Note)」のナンバーに変更されます。上の例では、「C1」ノートを再生すると、MIDI 音源に送られる実際のノートは、「B0」に変更されます。

「出力ノート (O-Note)」は、たとえば「Bass Drum」のサウンドが、実際にバスドラムのサウンドを再生するように設定を行ないます。使用している MIDI 音源で、バスドラムのサウンドに対するノートナンバーが「C2」に設定されている場合、「Bass Drum」のサウンドの「出力ノート (O-Note)」を「C2」に設定します。また、(バスドラムが「C1」に設定されている) 他の MIDI 音源に切り替える場合は、この「出力ノート (O-Note)」を「C1」に変更します。すべての MIDI 音源に対する「出力ノート (O-Note)」の設定が完了したら、他の MIDI 音源を使用するときにはその MIDI 音源用のドラムマップを使用するだけでよくなります。