Standard

「Standard」アルゴリズムは、プロセッサーのリアルタイム処理に最適化されたアルゴリズムです。

使用可能なプリセットは以下のとおりです。

Standard – Drums

打楽器系の素材に適しています。このモードはオーディオのタイミングを保持します。特定のチューニングが行われた打楽器にこのモードを使用すると、不自然な響きになる可能性があります。その場合には後述の「Mix」モードを試してください。

Standard – Plucked

ギターやベースなど、すぐに減衰しても音色が比較的安定している楽器に適しています。

Standard – Pads

コード系など、リズム要素や音色の変化が少ないサウンドに適しています。リズム的な精度はやや下がりますが、その分、音色の変化が最小限に抑えられます。

Standard – Vocals

ボーカルなど、アタック成分があってもレベル変化がなめらかで、音色のキャラクターがはっきりとしたサウンドに適しています。

Standard – Mix

サウンドキャラクターの変化が大きくピッチのある素材に適しています。このモードはリズム精度を保持すると同時に不自然なノイズができるだけ加わらないように調整されます。

Standard – Custom

タイムストレッチ機能のパラメーターを手動で設定できます。

Standard – Solo

ソロの木管/金管楽器、ソロボーカル、モノフォニックシンセ、和音を奏しない弦楽器など、モノフォニックな素材に適しています。オーディオの音質は維持されます。

カスタムワープ設定 (Custom Warp Settings)

「Standard – Custom」モードを選択すると、ダイアログが表示され、タイムストレッチの音質に影響を与える以下のパラメーターを手動で調節できます。

Grain Size

「グレイン」のサイズを指定できます。グレインとは、Standard タイムストレッチアルゴリズムによって細分化されたオーディオのひとつの単位のことです。トランジェット (急激な信号レベルの変化) が多く含まれる素材の場合、「グレインサイズ (Grain size)」を小さく設定したほうがよい結果が得られます。

オーバーラップ (Overlap)

グレインが他のグレインとオーバーラップする際のパーセンテージの設定ができます。安定したサウンドキャラクターに対しては、高い値を使用してください。

変動量 (Variance)

グレインの長さの変動量をパーセンテージで設定できます。オーバーラップエリアを常に変動させることで、サウンドはより自然に聴こえます。「変動量 (Variance)」を 0 (ゼロ) に設定した場合、初期のサンプラーのような人工的な (意図的に加工されたような) サウンドになります。逆に「変動量 (Variance)」を大きく設定した場合、リズム的にはより自然に聴こえますが、濁ったサウンドになります。